2017年5月18日、5月19日に、帯広、札幌会場にて、表題の研修会を開催いたしました。ご参加いただきました会員企業の皆様、お忙しい中、本当にありがとうございました。
以下、開催の概要をご報告いたします。
開催の概要
①国が定めたZEH建築上のルールを分析して高ポイントを稼ぐ設計ルール
国が定めるZEH基準を、より効率的に満たすためにはどのような手法があり得るのかを検証するため、様々な試算を行い、ご説明いたしました。
今回の試算は、以下の通りです。
- 住宅の断熱性能を求める公式の要素である「外皮表面積」を変動させることによって、住宅全体の断熱性能がどのように変化するのか?を試算。
- 間取り設計の違いによる(個室設計/オープン設計)一次エネルギー消費量の変化を試算。
- 窓の総面積を変動させたときのエネルギー消費量、日射取得量の変動を、パッシブ型設計住宅・標準設計住宅・高断熱型設計住宅に適用したときの、それぞれの一次エネルギー消費量の変化を試算。
概して、「高断熱化」の有効性が証明される結果となりましたが、同時に、地域的な傾向の違い、間取り設計の方向性も見いだされました。
②太陽光発電の新しい制度FIT法+太陽光発電の電子申請
FIT制度は、その開始より、刻々と変動する社会情勢に対応しつつ、再生可能エネルギーの普及と持続可能な運用とをみすえ、順次改正が行われてきました。
今回は主に、①再生可能エネルギーの内訳として太陽光発電への偏重を是正すること、②国民負担の増大を緩和すること、③未稼働案件へのテコ入れと事業認定への移行による事業の健全化、を目的とした改正内容となっています。
特に、みなし認定案件・すでに稼働している案件については、「期限付きの対応」が要求されており、忘れずに対応されることを強く呼びかけました。
また、旧制度からの移行手続き、及び新制度下での手続き過程をご説明するとともに、新設されたWeb画面の操作を一つずつご説明いたしました。
③29年度のZEH補助金+ビルダーの格付け対策
来年度から、ZEHビルダーの格付け制度が始まります。具体的には、格付けされた公的な認証マークを用いてZEHビルダーとしての優位性を示す特権を得ると同時に、公的なWebサイトにおいて実績に基づいた格付けが公表・証明される、というものになることが予測されます。
よって本年度においては、ZEHビルダーとしてのスタートを切るに留まらず、いかに多くのZEH案件の実績を積むかが、来年度以降のZEHビルダーとしての競争力を決定づけます。
この制度がもたらす優位性は、今般国が推進する政策に対して、積極的に協力するビルダーに対してのみ、付与されます。大変急激な政策とも感じますが、それほど世界は省CO2を日本に求めてきており、この求めは、更に強まることは必定です。
こうした状況を踏まえ、参加者の皆様には、まず行うべきこと5項目、要素技術7項目を示し、ZEH建築にて高得点を得る取組を求めるとともに、私共PVソーラーハウス協会も、全力でサポートを行っていくことを強調いたしました。
次回は、上述の要素技術7項目のうち、木造外皮計算と一次エネルギー計算について研修する予定です。